コラム 2018春センバツ甲子園・第90回記念大会

2018選抜高校野球 東海大相模・慶應義塾の初戦を占う

投稿日:2018年3月21日 更新日:

第90回記念選抜高校野球大会の組み合わせが16日決定して、昨秋明治神宮大会覇者の明徳義塾(高知)は千葉.中央学院との再戦が決まり、好カードが目白押しです。

第90回記念選抜高校野球大会<組合せ・日程>はこちら。

いつも観戦、応援している今大会に出場する神奈川県、千葉県勢、東海大相模、慶應義塾(神奈川)、中央学院(千葉)の3校の初戦について、対戦する学校紹介から投手力、打撃力などから試合展開を予想します。

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慶應義塾(神奈川) vs 彦根東(滋賀) - 第6日第1試合.2回戦 -

慶應義塾の対戦相手は、彦根東(滋賀)は歴史が古く進学校という共通点が多い学校同士の対決となりました。学校創立は慶應義塾が1858年、彦根東が1876年で出場校中1、2番目の長い歴史を誇ります。

両校とも文武両道、由緒ある学校の特色も似ていますが、野球のチームカラーも似ているかも知れません。お互いに左腕の本格派投手を中心とした、1点を争う投手戦が展開されると予想します。

慶應義塾のエースは生井惇己投手(3年)、彦根東のエースは増居翔太投手(3年)で、1年生の時から経験豊富。増居投手は昨夏甲子園を経験するチームの大黒柱。小柄だが、コーナーを丁寧につく制球力、配球など投球センスもいい。原功征、嶋崎詠投手(ともに3年)を加え、3人の左腕投手力で勝負します。

一方、慶應義塾.生井投手は昨夏の神奈川大会準々決勝先発するが1回降板、悔しい思いをした。悔しさをバネにした昨秋の大会では何度も招いた1点差の試合を投げ抜き、県大会準優勝、関東大会ベスト4入りして選抜出場につなげました。切れのあるストレートと鋭いスライダー、チェンジアップを武器に安定したピッチングに期待する。

もう一人の左腕.渡部淳一投手(3年)、ボールの出所が見えにくい変則フォームから繰り出される多彩な変化球は面白い。この冬しっかりと体重を上げています。

昨秋大会の慶應義塾は接戦での生井投手の踏ん張りが光り、前年チーム正木・矢澤選手といった大砲がいた打線に比べると攻撃力は大きな課題でした。打撃力向上を冬の課題として、スイングスピードのアップなど例年以上に打撃練習に時間をかけ、アウトコースへの対応も強化などに取り組んだ。打線の核は主将で4番の下山悠介選手(3年)で、1年生からレギュラーで活躍、途中昨春まで怪我で休んだが昨夏復帰して調子を上げてきています。1番宮尾将選手(3年)も1年からレギュラーで活躍、遊撃手の守備は天下一品、安定感抜群です。2番吉川海斗、8番善波力選手の2年生も粘り強いバッティングを見せます。

彦根東も同様、打撃を課題としてチーム作りをしてきています。昨夏の甲子園メンバが入れ替わり打撃低迷からの脱出を図ってきており、打率4割台の朝日晴人、宇野圭一郎(ともに3年)の出塁がポイントとなりそうです。

慶應義塾は昨秋大会ら接戦を経験してチームには粘り強さが信条。3月、高知で合宿を開き、大きな球場で練習試合を重ねています。彦根東は3人の左腕投手を中心に、各選手が複数のポジションをこなせるセンスと柔軟性ある選手が頭脳プレーを見せてくる。

文武両道、進学校の2校がどんな接戦、熱戦を繰り広げてくれるか、大変楽しみです。

両校の応援が戦も面白そうです。彦根東のアルプススタンドは「赤鬼魂」で真っ赤に染まるので怖いですね。慶應義塾も負けずと応援しますので、頑張ってください。

試合は第6日(3月28日)、第1試合9:00試合開始予定です。

 

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慶應義塾・彦根東データ

■戦績・登録選手
慶應義塾(神奈川) 彦根東(滋賀)
創立 1858年 1876年
創部 1888年 1894年
部員 79名(3年39、2年40) 47名(3年21、2年25、女子マネ1)
甲子園戦績 通算18勝16敗。1916年初出場初優勝。夏選手権:17回、春選抜:8回出場。春はベスト8が最高。 通算1勝5敗。1950年初出場、夏選手権:2回、春選抜:3回出場(21世紀枠含)。2017夏に悲願の初勝利。
試合成績 勝率 :.818(.788)
11試合9勝2敗(55試合41勝3分11敗)
打率 :.388(.355)
防御率:0.77(1.74)<昨秋大会戦績>
関東大会.ベスト4
●準決勝 4-7 明秀学園日立
○準々決勝 3-2 國學院栃木
○1回戦 5-4 拓大紅陵
神奈川県大会.準優勝
●決勝 0-12 東海大相模
○準決勝 1-0 鎌倉学園
○準々決勝 4-2 藤嶺藤沢
○4回戦 4-3 平塚学園
○3回戦 7-2 横浜清陵
○2回戦 9-0 光明相模原
勝率 :.714(.724)
7試合5勝2敗(31試合21勝2分8敗)
打率 :.360(.320)
防御率:2.70(2.64)<昨秋大会戦績>
近畿大会.ベスト8
●準々決勝 3-4 近江
○1回戦 4-3 明石商
滋賀県大会.3位
○3位決定戦 11-4 近江兄弟社
●準決勝 1-6 比叡山
○準々決勝 11-1 伊香
○3回戦 8-0 野洲
○2回戦 12-0 堅田
登録選手 1 生井 惇己 (3) 左/左 175 68 (.233 *1.88)
2 善波 力  (2) 右/右 168 73 (.276)
3 吉川 海斗 (2) 左/左 177 69 (.323)
4 奥村 拓馬 (3) 右/右 177 78 (.385)
⑤下山 悠介 (3) 右/左 176 74 (.375)
6 宮尾 将  (3) 右/左 169 64 (.347)
7 大川 裕也 (3) 右/左 166 64 (.336)
8 関 展里  (2) 右/右 181 71 (.335)
9 石田 新之介 (3) 右/右 181 82 (.330)
10 渡部 淳一 (3) 左/左 179 75 (.393 *2.15)
11 山下 健太郎 (2) 右/左 168 68 (.375 *4.60)
12 千坂 卓海 (2) 右/右 175 68 (.304)
13 駒形 凌  (2) 左/左 175 71 (.308 *4.50)
14 田辺 慎之佑 (3) 右/左 168 67 (.333)
15 広瀬 隆太 (2) 右/右 180 78 (.---)
16 斎藤 俊  (2) 右/右 175 68 (.274)
17 福島 豪  (2) 左/左 172 69 (.191)
18 新城 塁斗 (3) 右/左 171 68 (.---)
1 増居 翔太 (3) 左/左 171 64 (.306 *2.62)
②高内 希  (3) 右/右 176 76 (.261)
3 山岡 右京 (2) 右/右 176 62 (.385)
4 朝日 晴人 (3) 右/左 170 66 (.403)
5 川嶋 清太 (2) 右/右 173 62 (.273)
6 今井 怜央 (3) 右/右 167 66 (.257)
7 岡上 士門 (3) 右/左 171 69 (.348)
8 野嵜 重太 (3) 右/右 169 68 (.360)
9 宇野 圭一郎 (3) 右/右 176 66 (.426)
10 原 功征  (3) 左/左 168 65 (.091 *1.96)
11 北村 駿  (3) 右/右 173 65 (.250)
12 井上 人太 (2) 右/右 168 68 (.391)
13 中谷 凌  (2) 左/左 176 71 (.258)
14 中川 響  (3) 右/右 174 65 (.318)
15 水谷 洸太郎 (3) 右/右 179 72 (.---)
16 永井 結登 (3) 右/右 165 61 (.318)
17 嶋崎 詠  (3) 左/左 170 70 (.200 *3.46)
18 西田 乗斗 (2) 右/右 176 67 (.286)

※試合成績の数字は公式戦(練習試合含む全試合)、丸数字が主将。
選手データは、背番号 選手氏名 (学年) 投/打 身長/体重 (全試合打率*防御率) を順に示す。

■井伊の赤備え:彦根東(滋賀)

校舎が彦根城敷地内にあることから練習場所に限りがあり、郊外のバッティングセンターで打撃練習している。しかし、昨年末その施設が閉鎖してしまったらしいです。ユニホーム左腕の校章ワッペンは彦根藩主の井伊家の赤備え(軍装)*イメージです。

井伊の赤備え 井伊直政 井伊直弼

*) 井伊の赤備え
初代彦根藩主・井伊直政が部隊を赤備えとして編成し、井伊の赤備えは小牧・長久手の戦いで先鋒を務めて奮戦し、「井伊の赤鬼」と呼ばれ恐れられた。以後幕末に至るまで井伊家が治めた彦根藩の軍装は足軽まで赤備えをもって基本とされた。
アメリカの黒船艦隊来航に備えた相模湾から江戸内海の警備でも井伊の赤備えが出陣し、1853年(嘉永6年)、来航の様子を描いた『ペリー浦賀来航図』(彦根博物館HPご覧ください)に、彦根勢の赤い陣羽織や旗差物などが描かれる。
彦根藩主初代・井伊直政と、安政の大獄と桜田門外の変で有名な15代・大老井伊直弼は「井伊の赤鬼」と呼ばれた。赤備えは、その他に「武田の赤備え」、「真田の赤備え」が有名。彦根市マスコットキャラクターひこにゃんの兜にも注目。

 

■エンジョイ・ベースボール:慶應義塾

福澤諭吉が江戸幕末に開いた「蘭学塾」に始まる私学男子校。上田誠前監督が選手の自主性を重んじる「エンジョイ・ベースボール」を部訓として、2015年に森林貴彦現監督が就任。森林監督は小学校教諭との二足の草鞋を履く慶應ボーイですね。
2005年に甲子園ベスト8進出、2008年春・夏出場して旋風を巻き起こし、野球部OBには佐藤友亮(元西武・現コーチ)、白村明弘(日本ハム)、山本泰寛(巨人)、加藤拓也(広島)らがいます。

高校野球 慶應義塾 応援 陸の王者

東海大相模(神奈川) vs 聖光学院(福島) - 第5日第1試合.2回戦 -

東海大相模の対戦相手は、東筑(福岡)と聖光学院(福島)の勝者との対戦となります。決まったら記載していきます。

対戦相手が聖光学院(福島)に決まりました。聖光学院は東筑(福岡)に競り勝ち、ベスト8入りした2013年以来の初戦突破となった。

◇3月23日(第1日)第1試合
聖光学院(福島)5-3 東筑(福岡)

開幕戦となった試合、伝統的に手堅い野球を身上とする聖光学院らしく、最終回同点の場面で決勝のスクイズを決めて勝利しました。昨秋の公式戦のチーム打率3割8分9厘は出場校中4位で、例年になく厚みのある打線で昨夏の甲子園ベスト16、昨秋の東北大会初優勝では打ち勝ってきています。この試合も後半の膠着状態から、甲子園で手堅い作戦に変更して勝利しました。

高校野球 スコア

さて、2回戦での試合展開を予想してみます。

ともに強力打線が持ち味です(下表、打率を参照)。東海大相模の森下翔太選手(3年)は昨秋までに高校通算44本塁打を誇り、上位から下位打線まで切れ目がありません。本塁打数は出場校中2位の13本、チーム打率も3割8分8厘だ。

一方、聖光学院も1回戦スクイズを決めるなど好調な横堀航平選手(3年)と主将.矢吹栄希選手(3年)の2-3番がポイント。五味卓馬選手(3年)のスイングは鋭く、スケールが大きい。

また、投手力も両校とも拮抗しています。東海大相模のエース斎藤礼二投手は、回転の良いストレート、切れのあるスライダーをしっかりと投げ分けゲームメイクできる投手だ。昨秋の死球からの怪我から順調に回復して3月練習試合でその姿を見せてくれました。

聖光学院のエース衛藤慎也投手(3年)も昨秋はほぼ1人で投げ切っており、130キロ台後半の直球とスライダーが武器です。

打線、投手力とも高いレベルにあり、打ち合いの打撃戦、もしくは投手戦が予想できますが、ここは聖光学院の史上最高強力打線と東海大相模の斎藤投手の勝負が見ものです。優勝候補の東海大相模が投打に優位に立つと思いますが、面白い試合になるはずです。期待しましょう。

◇3月27日(第5日)第1試合 9:00開始 聖光学院(福島)-東海大相模(神奈川)

 

東海大相模・聖光学院データ

東海大相模(神奈川) 聖光学院(福島)
創立 1963年 1962年
創部 1963年 1963年
部員 57名(3年26、2年29、女子マネ2) 81名(3年40、2年41)
甲子園戦績 通算38勝15敗。夏選手権:10回、春選抜:9回出場。春・夏4回の優勝経験あり。 通算22勝18敗。夏選手権:14回、春選抜:4回出場。春・夏ともに最高はベスト8。春は3勝4敗。
試合成績 勝率 :.909(.970)
11試合10勝1敗(68試合64勝2分2敗)
打率 :.388(.355)
防御率:0.77(1.74)
<昨秋大会戦績>
関東大会.ベスト4
●準決勝 2-3 中央学院
○準々決勝 12-1 作新学院
神奈川県大会.優勝
○決勝 12-0 慶應義塾
○準決勝 7-0 桐光学園
○準々決勝 7-0 磯子
○4回戦 6-3 向上
○3回戦 8-0 横須賀総合
○2回戦 7-0 戸塚
勝率 :.900(.872)
10試合9勝1敗(50試合41勝3分6敗)
打率 :.389(.389)
防御率:0.73(1.58)
<昨秋大会戦績>
明治神宮大会
●2回戦 4-6 創成館
東北大会.優勝
○決勝 6-4 花巻東
○準決勝 16-2 能代松陽
○準々決勝 15-0 利府
福島県大会.優勝

○決勝 9-2 光南
○準決勝 11-0 湯本
○準々決勝 10-0 福島商
○2回戦 9-1 いわき光洋
○1回戦 3-0 喜多方桐桜
登録選手 1 斎藤 礼二 (3) 右/左 173 64 (.385 *0.68)
2 佐藤 暖起 (3) 右/右 175 67 (.282)
3 渡辺 健士郎 (3) 右/左 182 82 (.365)
4 山田 拓也 (3) 右/左 168 63 (.422)
5 金城 飛龍 (2) 右/右 168 70 (.361)
⑥ 小松 勇輝 (3) 右/左 172 67 (.375)
7 梶山 燿平 (3) 右/左 165 70 (.281)
8 森下 翔太 (3) 右/右 180 77 (.429)
9 後藤 陸  (3) 右/右 173 65 (.330)
10 浅海 大輝 (3) 左/左 174 76 (.143 *1.93)
11 野口 裕斗 (2) 左/左 168 65 (.320 *1.19)
12 井上 恵輔 (2) 右/右 174 74 (.---)
13 菖蒲 谷嶺 (2) 右/右 182 76 (.---)
14 白石 大智 (3) 右/左 167 65 (.---)
15 本間 巧真 (2) 左/左 171 66 (.279)
16 細田 一輝 (3) 右/左 177 76 (.---)
17 上杉 龍平 (3) 右/左 184 79 (.312)
18 遠藤 成  (2) 右/左 178 76 (.---)
1 衞藤 慎也 (3) 右/右 177 78 (.231 *1.60)
2 大松 将吾 (3) 右/右 175 72 (.390)
3 須田 優真 (3) 右/右 182 84 (.489)
④ 矢吹 栄希 (3) 右/左 180 74 (.344)
5 小室 智希 (2) 右/左 170 67 (.337)
6 田野 孔誠 (3) 右/右 170 70 (.392)
7 星 歩志  (3) 右/右 170 73 (.475)
8 横堀 航平 (3) 右/右 172 72 (.414)
9 五味 卓馬 (3) 右/右 178 77 (.427)
10 高坂 右京 (3) 左/左 176 73 (.172 *0.97)
11 上石 智也 (3) 右/右 176 75 (.667 *1.70)
12 山本 迅  (3) 右/右 172 72 (.348)
13 須藤 翔  (2) 左/左 174 70 (.250 *3.03)
14 西牧 譲志 (3) 右/左 167 65 (.357)
15 荒牧 樹  (2) 右/右 172 70 (.---)
16 川口 堅  (3) 右/右 180 76 (.306)
17 水光 燦太郎 (3) 右/右 172 76 (.341)
18 馬場 大虎 (3) 右/左 180 80 (.279)

※試合成績の数字は公式戦(練習試合含む全試合)、丸数字が主将。
選手データは、背番号 選手氏名 (学年) 投/打 身長/体重 (全試合打率*防御率) を順に示す。

■東海大相模の”相模ブルー”の縦縞ユニホーム

原貢元監督(現東海大野球部名誉総監督)が息子の原辰徳(元巨人監督)が親子で甲子園出場して、”相模ブルー”の縦縞ユニホームを全国に知らしめた。

現門馬敬治監督は1999年就任後、春夏8回の甲子園出場を果たし、3度の日本一に導く名将。部訓は「一日一生」。野球部OBには大田泰示(日本ハム)、菅野智之(巨人)、最近では2015年小笠原慎之介(中日)、吉田凌(オリックス)らがいる。

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