■第90回選抜大会は来春3月23日開幕
高野連が19日、来春の第90回選抜大会を2018年3月23日から13日間(準々決勝翌日の休養日を含む)、甲子園球場で開催することを決めました。
記念大会のため、出場校は例年より4校多い36校の予定。出場校を決める選考委員会は来年1月26日、組み合わせ抽選会は3月16日に行われる。
◆出場校:36校
<一般選考:32、21世紀枠:3、神宮大会枠:1>
一般選考の地区別出場校数は、以下の通り。例年に比べ、東北、東海、北信越をそれぞれ+1校増、中国・四国5校を+1校増やして、中国・四国各3校が出場。
北海道:1
東北:3
関東・東京:6
東海:3
北信越:3
近畿:6
中国:3
四国:3
九州:4
◆タイブレーク制の導入
大きな話題は、同大会から延長戦でのタイブレーク制導入を決めたことだ。
延長十二回までは通常の試合を行い、決着が着かない場合は延長十三回からタイブレーク制とする。なお、決勝での導入については再試合の見込み(再試合はタイブレーク)。
アウトカウント、走者など設定は今後協議され、詳細を11月末の理事会で決定するらしい。
高野連は5月に各都道府県連盟に対し、タイブレーク制導入に関するアンケートを実施し、47連盟のうち38連盟がおおむね賛成の立場で、7連盟が回答なし、2連盟が時期尚早との意見だったとのこと。
これまで春夏の甲子園大会では、2000年春に延長戦を18回から15回に短縮したが、引き分け再試合が繰り返された。特に今春センバツの2回戦、滋賀学園―福岡大大濠、高崎健康福祉大高崎―福井工大福井が2試合連続で延長15回引き分け再試合となり、改革への機運が高まったといえる。
ちなみに春季地区大会や明治神宮大会や国体などでは導入済み、先日のU18ワールドカップ国際試合でも実施されている。
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◆賛否両論
もともとタイブレーク制度は、大会日程の消化を目的としている。投手の障害を予防する制度ではない。
健康管理としてタイブレーク制以外にも、「投手の球数制限」、「投球回数制限」も検討されたが、何人も投手がいる強豪校が有利になる可能性があるため、最終的にはタイブレーク制の導入となったようです。
延長戦での熱い戦いは高校野球の魅力の一つで、そこからたくさんの球史に残る名勝負が生まれてきましたのも事実。しかし残念ながら、時代は一人の大投手で乗り切る時代ではなくなってきています。延長戦はメンタルが鍛えられる面はありますが、将来性ある高校生時代に酷使することで、投球数がその後の野球人生、全く投手生命に関係ないとは言えないはずです。
休養日の増設して連戦を避ける日程の組み方、コールド・ゲームの導入、ベンチ入り人数(現在18人)から増やすことで選手への負担を減らすなど、色んな選択肢があるので引き続き検討してほしい。予算が掛かることに繋がったりすると思うが、そこは国民的行事なので。観戦する側としても必要なら値上げも仕方ないでしょう。
◆延長戦で何が変わる
タイブレークを13回からとしたのは、過去5年の延長戦で12回決着が8割を占めた統計を踏まえたという。
高校野球全国大会通算5610試合(春2264試合、夏3346試合)のうち、延長13回以降に進んだのは123試合で全体の2・2%。残る97・8%は12回までに試合が決着する。最近10年(08~17年)に限れば13回以上は808試合中10試合(1・2%)。
現在検討中だが「無死一、二塁から」の運用が濃厚。試合のつながりを重視し、どこから始めるかを選べる「選択打順制」ではなく、「継続打順制」で行われる可能性が高い。
延長十二回からの継続打順で、さまざまな作戦を展開できる無死一、二塁からの開始が有力となっているようです。
基本、タイブレークはチャンス状態から開始なので点取り合戦になるはずで、ヒット、長打が1発出るか出ないかが大きな鍵(カギ)。
<ケース1> そのまま1ヒット狙い。
3人で1本ヒットが出れば2塁走者が生還して1点が計算できる。ダブルプレーになっても、3塁-2塁の併殺でなければ、3塁か2塁には1人走者が残るからだ。
<ケース2> 送りバントで1アウト、二・三塁にしてから。
2人で1本ヒットが出れば1、2点入る計算ができる。ダブルプレーにもなりにくくなる。
1人目でヒットが出ると打線を勢い付かせ、大量得点可能性があり。一、二塁走者の走力、打順により戦略が変わる。なかなか面白い。
タイブレークでは試合の流れが変わってしまい、野球の楽しみを奪ってしまうでは、という懸念の声もありますが、どうでしょうか。タイブレークはタイブレークでしかない、延長戦にはない緊張感、名勝負が生まれると思う。
一発屋の代打や三振が奪える投手など、職人・専門職的な選手も生まれるでしょう。
いずれにしても高校野球は、大きな転機を迎えることになり、次の新しい100年の高校野球のために、現場や専門家と議論を続けてほしいと思います。
ちなみに小中学生をバックネット裏に招待する「ドリームシート」は継続実施する。
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